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2026年4月6日から7日にかけて行われたNASAのアルテミスIIの月周回飛行中に、商用一眼カメラNikon Z9で撮影されたJPEG画像が、光学的なFコロナ(内部黄道光)の構造に関する重要な科学的知見をもたらしました。
この画像はNASAが「Artemis II in Eclipse」(ID art002e009301)として公開したもので、月表面約6,545km上空から総露出2秒、ISO1600、Nikkor AF-D 35mm f/2レンズ、F2、RGB JPEG(8256×5504px、8bit)で撮影されました。月の視直径約16.9°に対し太陽は約0.53°と非常に大きな月面の太陽面食となり、約1時間に及ぶ日食の皆既が得られました。例年の地上での皆既日食よりも遥かに長い皆既時間です。
この画像から、研究者たちは星の位置情報を用いた天文台的補正を含む詳細な解析を行い、次の重要な発見を発表しました(2026年6月9日付け「The Astrophysical Journal Letters」掲載):
- 月の周囲の光芒(Fコロナ)は円形ではなく、黄道面に沿って平たく潰れた形状をしている。
- 輝度は北半球と西側が若干明るく、これは太陽を取り巻くダストの雲の観測角度と一致した非対称性である。
- 光の輝度は太陽からの距離に伴い急激に減衰し、古い宇宙観測の推定よりも急激なパワー則(指数約1.3)に従うことが示された。
- 通常の日食で見られるプラズマの輝線(Kコロナ)はほぼ写っておらず、観測された光芒はほぼ純粋に太陽光の星間微粒子による散乱である。
- 専門的に校正されていない一般的なJPEG画像ながら、適切な解析を行えばトップジャーナルに掲載できる科学的価値が示された。
この研究は、次世代の有人月探査や人工衛星によるFコロナの閉塞観測の技術的・実証的な基礎と位置づけられ、宇宙飛行士が商用カメラを使用しても重要な科学データが得られることを証明しています。
執筆者の東京市大学・東北大学の角田浩二氏は、一般カメラによる高品質な天体画像の科学的価値に驚嘆し、アマチュア撮影者の活躍と今後の高性能カメラによる意外な発見に期待を示しました。国立天文台の有松浩彰氏も、消費者向けカメラが探査記録だけでなく科学ツールとなり得ることを強調しました。
ニコンの池上裕之氏(常務執行役員)は、長年NASAの宇宙探査活動をカメラ技術で支えてきた実績を述べ、Z9の高解像度と広いダイナミックレンジ、優れた高感度性能が宇宙探査での撮影に貢献していると語っています。
今回の成果は2026年4月のアルテミスIIミッションに同カメラが搭載されていたこと、及び7月に新発見としてまとめられた科学論文掲載という極めて具体的な事実をもとに、民生用カメラが宇宙科学に寄与しうる時代の幕開けを示しています。今後、アルテミスIIIミッションなどでもNikon Z9を活用した観測が期待されます。
出典: Nikon Rumors